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年金制度改正法が成立しました

社会経済の変化を踏まえ、働き方や性別に中立的で、ライフスタイルや家族構成の多様化に対応した年金制度を構築することが重要です。また、所得再配分の強化や私的年金制度の拡充を通じて、高齢期の生活を安定させることを目指し、令和7年6月13日に「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案」が成立しました。

(1)社会保険の加入対象の拡大
中小企業の短時間労働者などが、厚生年金や健康保険に加入し、年金の増額などのメリットを受けられるよう
社会保険の加入対象の拡大
 ・短時間労働者(パート労働者など)の厚生年金等の適用要件を改正
  1. 賃金が月額8.8万円(年収106万円相当)以上 ←撤廃
  2.週所定労働時間が20時間以上(雇用契約で判断)
  3. 学生は適用対象外
  4. 51人以上の企業が適用対象←段階的に撤廃

(2)在職老齢年金制度
高齢者の活躍を後押しし、できるだけ就業調整が発生しない、働き方に中立的な仕組みとするため、
在職老齢年金制度の支給停止基準を現行の50万円から62万円に引上げ。 〈2026年4月施行〉

(3)遺族年金制度
遺族年金を見直し、遺族厚生年金の男女差を解消します。また、こどもが遺族基礎年金を受け取りやすくします。
 ※ 既に受給権を有する方、60歳以降の高齢の方、20代から50代の18歳未満の子のある方には現行制度の給付内容を維持。
 ・ 男女ともに受給しやすくし、原則5年の有期給付に
 ・ 低所得など配慮が必要な方は最長65歳まで所得に応じた給付の継続
 ・ 有期給付の場合の加算や配偶者の加入記録による自身の年金の増額
 ・ 女性のみの加算を廃止(25年かけて段階的に縮小)

(4)厚生年金等の標準報酬月額の上限の段階的引上げ
標準報酬月額の上限を、65万円から75万円に3年間かけて段階的に引上げ、一定以上の月収のある方に、
賃金に応じた保険料を負担いただくことで、現役時代の賃金に見合った年金を受け取りやすくします。
 ※実施時期:68万(2027年9月)、71万(2028年9月)、75万(2029年9月)

(5)私的年金制度
iDeCoに加入できる年齢の上限を60歳から70歳に引き上げ、企業型DCの拠出限度額の拡充、
企業年金の運用の見える化などを行います。

厚生労働省HP

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